介護保険申請の実験談 第5回
増澤喜一郎 
 私と家内は二人とも「要支援」と認定された。そこで、早速、家事援助をお願いすることにする。しかし、ヘルパーという見知らぬ”赤の他人”に、家事万端をおまかせするということは、結構、難儀なことでもある。
 とくに家内にしてみれば、家事を取り仕切られたくないという気持ちもあるだろう。だが、老夫婦二人、足腰が立たなくなった時のことを考えれば、ここは早いところ慣れておかなければならない。
 そのために大切なことは、”元気な”今のうちに積極的に介護保険の居宅サービスを活用し、ヘルパーさんに慣れておくことだ。たとえば「要支援」の場合、夫婦二人で最大約一三万円の枠内の居宅サービスを受けられるから、これをフルに活用しない手はない。
 では、良いヘルパーさんに来てもらうにはどうしたらよいか。ヘルパーさんはケアマネージャー(介護支援専門員)が作成する居宅サービス計画に従って介護先を訪問する。つまりケアマネージャーがキーパーソンなのだ。そしてそのケアマネージャーについての情報は、市からもらった介護保険のパンフレットによれば、居宅介護支援事業所に問い合わせることになっている。
 ところが、実際に、問い合わせてみた方はお分かりだと思うが、港南区には二十四か所の事務所があるのに、なぜか、特定の事業所を指定されてしまう。「要支援」はダメだという事業所もある。自分の気に入った事業所を探すには、それなりの努力が必要なのである。次回は、上手な事業所の探し方についてお話ししたい。